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代表ご挨拶

あいさつ

TOB塾を始めた個人としての思いをあいさつに代えてつづりたいと思います。

「なぜTOB塾を開こうと思ったのですか?」と聞かれるときに、いつも答える2つのことがあります。それは、私自身の高専を中退した経緯と学校の先生としての経験です。
高校中退者や、高校になじめない人たちとの関わりの中で、私が思ったこと。高校生のときには「中退を考える人の方が危うさはあるけど自由で、発想力も行動力も高い」でした。そして、そんな自分も高専中退するわけですが、「自分だけは危うくないし普通だ」と考えていました。また、学校の先生のときは「中退する・しないの違いは、運。本人たちに決定的に欠けていたり、違ったりするものがあるわけではない」ということでした。

そして、この仕事を始めた2013年から、もう少しルーツをさかのぼる機会を得ました。私は、父を大韓航空機撃墜事件で失くし、母子家庭で育っています。この父の存在と母子家庭での生育なども、TOB塾、new-lookの設立に大きく関わっていたことを知りました。
あまりに長くなるので詳しくはここでは語りませんが、そこで少しずつ培われていた「人は人、私は私」という感覚。そこから得た、「人はどうあれ、自分の人生は自分で進められる」という考え方のおかげもあり、私自身は「中退」が「終わり」だとも「絶望」だとも思いませんでした。そして、今に至るまで何とか自分で考えて生きてきています。

実は、この"何とかなる"的な感覚はとても重要だと思っていますが、高校中退の情報を集めてみると、その先真っ暗のように思える状況の人が多いことがわかります。学校から離れて、本当は自由に人生を選択できるようになったはずなのに、社会のまなざしを通してみるとお先真っ暗と思わされてしまいます。

社会では「高校を卒業する」ことは"あたりまえ"で"ふつう"のこととなっています。
だから「高校を卒業しているか・いないか」で、社会での扱われ方が違います。受験などの面接でも「高校中退するぐらいだから、何か人として欠陥があるんでしょ」という雰囲気で接してくる学校・人たちはまだまだたくさんいます。

しかし、私は高校中退に全く違う見方をしています。高校中退をフラットにとらえられたら、ただただ学校に行くよりも価値のある可能性すらあるとさえ考えています。
自分自身の人生を自分で選択すること、そのために自分自身と向かい合うこと。進んだことに自分で責任をとること、より納得いく人生にするためにどうするか考えること、その中で現れる自分自身の課題と向き合うこと。これらは、与えられ、それなりにこなすだけの人生ではなかなか手に入れることができないものすごく価値のあることです。

さらに、自分自身に向き合って知る、私個人の課題というものは、麻疹やおたふく風邪などと同じように、年齢の低いうちに引き受けておいたほうがよいものなのです。それを引き受けることは、できない・足りない自分自身を受け入れることですので、喜んでやっていけるものではありません。しかし、それに挑んで自分自身を知り、他人とも折り合いをつけて、次に進んでいく。これは非常に大事なことです。
そういった課題に向き合うことは誰にだって必要なことです。そして、誰にとっても大変なことなのですが、高校中退者には更なる重荷が課せられている状態になっています。

それは、「高校にも出られなかった」というマイナスのまなざしです。

いろんな常識にとらわれなければ、まったく気にしなくていいことなのですが、周りがあまりにそういう空気だと、いつの間にか自分自身もそう思ってしまうこともあります。自分自身が何者なのかという思春期の難問を考えなければならないのに、「どうせダメな自分」という思い込みも足を引っ張りますし、高校中退で人との関係が薄くなることでいろんな視点やヒントもない。こうなってしまうと、これはもう、どうしようもない超難問に、一人で何のヒントも得られないまま向かい合わされる絶望感に似ています。これではふてくされてしまっても仕方ないとも思えます。

なので、私としては、「高校中退ぐらいでは人生は終わらない」「可能性があるのにこのままにしてしまうのはもったいない」「高校などに頼らず、自分の人生を始めようとしている人たちを応援したい」「いろんな生き方ができるという希望を一緒に見つけていきたい」という想いから、この塾を始めました。


目指すところ

もちろん、高校教育のなかで卒業を迎えられる人たちは、その道を選択するほうが無難だと思います。高校中退を選択した(選択せざるをえなかった)多くの人たちが、もっとポジティブに新たな出発できるように、その本人たち一人ひとりはもちろんのこと、社会からのまなざしも変えていくことを目指していきます。

高校中退者をはじめ、new-lookが出会う一人ひとりにはそれぞれのリアルな事情があります。さまざまな理由や事情にどこまで向き合えるかも分かりません。でも何もできないわけではないと思っています。できる部分から少しずつやっていきたい。まずは、多くの人たちのことを見聞きし、たくさんの生き方の選択肢を見つけ、広めていく。

そのために、まずは出会うところから。そして、自分の力で人生を歩み始めるその第1歩を一緒に見つけていきたい。さまざまな困難を持つ人たちも含めて、どこまでできるかこちらも知識と経験を貯めながら。

「高校中退」から始まる人生の先に、"ふつう"とは違う経歴から生み出される新しい発想で、社会に新しいワクワクをもたらしてほしい。
「中退でも良かった」と自分らしく成長していく人たちが増えていってほしい。

それらはきっと可能です。
そんな道を行く人を応援し続けたいです。着きすぎず離れすぎず。
それぞれが自分で決めた道で自分を発揮していく社会。そんな社会を楽しみにしながら。


TOB塾代表 山口真史

経歴

  • 1981年生まれ。2歳のときに大韓航空機撃墜事件で父親を亡くし、母子家庭で育つ。
  • 2000年に奈良工業高専を中退し、翌年、関西学院大学入学と同時にNPO法人BrainHumanityで活動。卒業後、人材紹介の会社で約2年勤め、2007年関西学院大学大学院にて教育学修士を取得するかたわら、NPO法人BrainHumanityなどで非常勤スタッフとして活動。
  • 2009年からは中学・高校の教員(社会科)として担任・学年主任などを経験し退職。
  • 2013年5月一般社団法人new-lookを設立し代表理事、TOB塾代表となる。
  • 現在、園田女子大学非常勤講師・関西労災看護専門学校非常勤講師。
    社会福祉法人すいせい評議員。
  • 2016年 第6回近畿地区版人間力大賞 会長賞 受賞
  • 2016年 第30回人間力大賞 文部文部科学大臣賞 受賞

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