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代表ご挨拶

あいさつ

設立10年。TOB塾は高校中退者や不登校生のための塾から、人間的成長を求めるすべての人のための学びの場になろうとしています。高校中退者や不登校生との関わりは変わらず続けながら、この関わり方を「すべての人のため」に広げていこう、と考えるに至っています。

TOB塾を立ち上げてからの10年で社会もとても大きく変化しました。
10年前の立ち上げ当時、「中退したら人生終わり」という情報がほとんどで、「学校は絶対に行くべきもの」・「中退する奴はろくでもない」という空気感がありました。それが今ではかなり薄まって「学校がすべてではない」という価値観も広まってきています。不登校や高校中退の界隈では何といっても「通信制高校」がかなり一般化しました。その結果、「不登校・中退したら通信制でOK」というメッセージも広がっています。

「中退したら人生終わり」ではなくなった今、new-lookも一定の役割を果たしたと思うところもあります。ただ、それでも不安に思っているところが変わらずに存在します。それは、現在「中退=人生終わり」でなくなったのは、「通信制」という「形」が受け入れられたからに過ぎないということです。「形」というのは、どのように形作ろうとも「形の中(=よい)」「形の外(=わるい)」という評価ができてしまいます。そしてすでに、通信制という形の副作用が見えてきています。この流れから私が痛感していることは「枠組みには受け皿として一定の効果はあるが、結局その人間の成長を求めなければ小手先でしかない」ということです。そしてこの「人間の成長」は中退や不登校だけではなくてすべての人たちに必要なものであると考えています。

これから社会の変化として、さまざまな権利が認められて優しく生きやすくなっていく一方で、社会・経済的には少子、高齢、情報、技術社会の流れがますます激しくなっていくでしょう。これまで世界でも経験していないような変化が日本から始まってきます。その先がどうなっているかは分かりません。そういった急激な変化に対して、「誰かに言われた課題だから」とか「単位さえ取れればいい」、「点数が上がればいい」、「怒られなければいい」という学び方で「枠の中で入れたからOK」という安心感で対応しようとするのはさすがに心もとないでしょう。
だからこそTOB塾としては、自分でその状況を受け取り、自分で考え、自分の選択で生きていけるような成長を大事にしていきたいと思っています。そして、それは不登校や高校中退をはじめとする多くの人たち一人ひとりと向き合ってきたTOB塾だから可能なこともあると考えています。

せっかく不登校になったのだから、せっかく高校中退したのだから、せっかく普通の・当たり前の・受け身の学びに違和感を持ったのだから、「学校」や「点数」を軸にではなくて「自分」を軸に考えてみてほしい、そして新しい学びの一歩を踏み出してほしいと思っています。

目指すところ

「一人ひとりの人間の成長を追求する」
と言葉にするのはとても簡単です。しかし、これを実現することはとても難しく、また時間もかかることです。だからこそ価値があるものだと思っています。 そのために、学校に通っていようと通っていまいと、進学でも就職でもその他でも、何歳であっても「ここでやっていこう」と思ってくれる方はどなたでもスタートしていただけます。

「人としての成長」を得るためには以下の3つのことが必要だと考えています。

①人間そのものに対する理解(スタッフ側)
まずは、TOB塾のスタッフや講師たちが「人間というもの」と向き合い続けて理解を深める必要があります。スタッフ一人ひとりも、塾生一人ひとりも違う人間であるので、「このやり方をしていれば良い」というようなものではありません。なので、TOB塾としての考え方を基礎として、絶対的な答えのない中でその一人ひとりに合ったやり方を模索し続けることが必要です。そのためのスタッフの永続的な研鑽は不可欠です。

②成長のための苦労を乗り越える意思(塾生側)
スタッフだけが「人間」と向き合っても効果は出にくいです。塾生も「自分自身」に向き合ってもらうことが大切です。
「成長」には痛みや苦しみが伴うことが多いです。それは成長痛にしても、筋肉痛にしても、知恵熱にしてもそうです。このあたりは「心の筋肉痛を知っていますか?」という動画でも詳しくお話しています。ただ、この苦労や痛みを「嫌なもの」と捉えるか「成長実感」と捉えるかでも受け取り方はかなり変わります。だからこそ先の文章で「"せっかく"高校中退したのだから」という言い方をしています。「高校中退」や「不登校」から始まる人生の先に、"ふつう"とは違う経歴から生み出される新しい発想で、社会に新しいワクワクをもたらしてほしいと思っていますし、そうでなくても「"せっかく"TOB塾とつながったのだから」自分らしく成長していく人たちが増えていってほしいと願っています。

③進める者とサポートする者の相性
TOB塾のベースは1対1の完全個別学習です。1対1での人と人との関係を大事にしたいと思っています。「教える-教えられる」という固定の関係ではなく、「学ぶ人-学びをサポートする人」として一緒に考え悩みながら進んでいくものだと思っています。人の成長にとって、特に「人との出会い」はとても影響が大きいですので、「確実にうまくいく」ものではないかもしれませんが、相性の合う・合わないも含めて人と出会いを成長につなげていけるように悩んでいければと思っています。

これらを揃えつつ、「勉強」をきっかけ、題材にして、人間的成長を探っていきたいと願っています。
TOB塾では、通学の状況や学力、年齢や学びの進め方など、それぞれの状態から一緒に進める方向を探します。進む方向はどの方向でもOKで、目先の成果だけではなく、それよりも人間的に成長するという視点を大事に関わっていければと思っています。


TOB塾代表 山口真史

経歴

  • 1981年生まれ。2歳のときに大韓航空機撃墜事件で父親を亡くし、母子家庭で育つ。
  • 2000年に奈良工業高専を中退し、翌年、関西学院大学入学と同時にNPO法人BrainHumanityで活動。卒業後、人材紹介の会社で約2年勤め、2007年関西学院大学大学院にて教育学修士を取得するかたわら、NPO法人BrainHumanityなどで非常勤スタッフとして活動。
  • 2009年からは中学・高校の教員(社会科)として担任・学年主任などを経験し退職。
  • 2013年5月一般社団法人new-lookを設立し代表理事、TOB塾代表となる。
  • 2016年 園田女子大学非常勤講師:ボランティアの理論と実践(~2019年)
  • 2016年 関西労災看護専門学校非常勤講師:教育学
  • 2016年 社会福祉法人すいせい評議員
  • 2016年 第6回近畿地区版人間力大賞 会長賞 受賞
  • 2016年 第30回人間力大賞 文部文部科学大臣賞 受賞
  • 2019年 国際ソロプチミスト神戸東 クローバー賞 受賞
  • 2020年 一般財団法人植田記念会を設立し代表理事

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