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【プレス掲載】2017年11月6日産経新聞夕刊

シングルマザー 就労に壁
2017年11月6日産経新聞夕刊


 
年齢・経験、「正社員」遠く
 10月中旬の土曜日、大阪府豊中市の住宅街にある2階建ての民家に、大学生やシングルマザーが集まっていた。さまざまな世代が交流する「つどい場ゆりちゃん」。発起人の1人でシングルマザーの介護福祉士、大久保理香さん(50)は「生活費を稼ぐのに必死だった。ようやく自分のやりたかったことをやれる、精神的な余裕ができた」とほほえんだ。
 大久保さんは夫の暴力が原因で平成23年、小学生から高校生まで3人の子供を連れて家を出た。日中は有期契約のフルタイムの仕事、夜は運送会社の荷分けを掛け持ちして生活を支えたが、45歳のとき、日中の仕事の契約期間が終了。次の就職が決まらず、年齢の壁を実感したという。
  そんなとき、シングルマザーに調理や介護などの専門資格の取得を促し、正社員としての就職につなげてきた職業紹介会社「情報の輪サービス」代表、佐々木妙月さん(60)に声をかけられた。資格を身につけ、翌年介護事務所の正社員に。長男が大学を卒業して就職するなど子育てが一段落し、介護の仕事を続けながら友人と立ち上げたのが「つどい場」だった。
 大久保さんは「勇気を出して離婚したことには後悔はない」と振り返る。一方で一時は3つの仕事を掛け持ちして土日も働くなど経済的には大変な思いをしてきた。「働いて社会に貢献しながら、子供を育てたい。だからこそ、家庭に入っていた女性が仕事を始めても、人並みに子供を養い暮らせる社会であってほしい」と訴えた。
 近年、さまざまな業界が人手不足で、有効求人倍率は高水準だ。だが、佐々木さんは「条件の良い就職ができるのはキャリアを積んで即戦力になる人だけ。シングルマザーが40代後半で正社員になるのは、かなり難しい」と訴える。
 佐々木さんがシングルマザーの就職支援を始めたのは12年。経営する飲食店でシングルマザーを雇用し、国などの補助金を活用して、母親たちが一定の収入を得ながら調理や介護の資格を取れる仕組みを作った。約80人のシングルマザーを社会に送り出し、現在は生活困窮者全般の職業訓練として続けている。
 シングルマザーの就労をめぐっては、NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西」(大阪市北区)も今年6月、自立支援をテーマにシンポジウムを開催。当事者の女性たちからは「契約社員や派遣社員として働き続け、心も体もしんどい」「非正規の仕事にはつけるが、収入が少ない」などの声が上がった。
 夜の飲食店で働くシングルマザーを対象に、高卒認定を受ける支援を始めた一般社団法人「ニュールック」の山口真史代表は「子育ても仕事もしているシングルマザーが、さらに勉強をする時間を確保するのは難しい」と課題を説明。シングルマザーらへの職業紹介事業を担当する豊中市職員は「今は親の支援や児童扶養手当があっても、いずれなくなる人がいる。そうした層にも支援が必要だ」と訴えた。

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