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【プレス掲載】2020年4月5日読売新聞朝刊

学び直し 個別指導で支援
山口さん故郷・奈良に塾
就職相談やネット授業も


不登校や高校を中退した人たちの進学や就労のために学ぶ機会を提供する個別指導塾が今月、奈良市学園南に開設された。高等専門学校中退の経験がある元教諭の男性が運営する。「悩みを抱えている人たちが一歩前に進むため、その背中を押せるような存在になりたい」と話している。(迫直往)



開設されたのはTOB(トブ)塾で、「Think Outside the Box(型にはまらないで考えよう)」の略。一般社団法人・new-look代表理事の山口真史さん(38)らが指導している。
奈良市出身。奈良高専を中退後、大学に進学。在学中のNPO活動でキャンプに参加した高校生や、大学卒業後に就職した人材紹介会社の研修で新入社員が、それぞれたくましく変わる様子を目の当たりにする中で、「人の成長に携わる仕事がしたい」と考えるようになった。25歳で会社を辞めて大学院に入り、教員免許を取得。兵庫県内の私立中高一貫校で社会科の教諭になった。
担任や学年主任を務めていたが、毎年退学する生徒の将来が気になっていた。自身の境遇も重ね、「学校の枠組みに合わずに辞めた生徒の力になりたい」。仕事を辞め、一念発起して2013年、兵庫県西宮市で不登校や高校中退者らを対象に個別指導塾を開いた。
将来に不安を抱えたり、もう一度勉強し直したいと思っていたりする中学生から50歳代までの幅広い世代の約200人がこれまで学んだ。地方では同様の支援が少ないと思い、故郷で取り組むことにした。
高卒程度までの5教科を対象に指導はマンツーマン。ホワイトボードなどを用い、考える力を重視する。将来の夢の実現のために、どのような道に進むべきか就職相談にも応じる。
情報発信をするため、ユーチューブに専用チャンネル「new-lookちゃんねる」を開設。撮影専用スタジオを整備するため、ネットを活用して資金を集めるクラウドファンディングにも取り組む。
授業は1回90分。月4回から、月額2万4000円(入塾金別)で。シングルマザーらを対象に、高卒認定資格の取得を無料で支援(限定)したり、インターネットを使って遠隔授業をしたりするコースもある。
山口さんは「中退した人もそうでない人も、人格や能力に変わりはない。それぞれが人生を楽しめる手助けをしたい」と力を込める。問い合わせは山口さん「090・6053・7855)。

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