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民間教育
民間教育とは、国が「学校教育法」のなかに定めたもの(小中学校・高等学校・専門学校・短期大学・大学など)以外の教育を指します。
さまざまな理由から一般的な学校を利用しない人へ向け、民間団体・個人によって運営されています。規模が小さく自由度も高いため、代表者の想いがストレートに反映されるのが大きな特徴です。一般的な学校に比べて認知度はまだまだ低く、地域あたりの設置数も少なくなっています。
選択肢が少なく個性も立っている分、パンフレットの読み比べ・見学などは楽なのですが、そもそも家の近くにある民間教育の存在に気付きにくいのが最大の難点でしょう。
TOBガイドではひとまず、民間教育を2つのタイプに分けて解説しています。まずは大まかな特徴をつかんでいきましょう。
フリースクール |
フリースクールとは「日本の一般的教育とは異なるシステムによって運営されるスクール」の総称で、国際的教育を行うインターナショナルスクールや、民主的教育を行うサドベリースクールなども広義にはフリースクールに該当します。しかし今日、日本で「フリースクール」と呼ばれるサービスの大半は、主に小中高までの不登校生を対象とした自由登校型のスクールであるため、本項はそうした狭義における「フリースクール」を解説しています。
居場所としてのフリースクール |
フリースクールでは「いかに通いやすい環境を整えるか」「いかに通う人たちが関わりあえる機会を生み出すか」といったところに主眼が置かれます。漫画・アニメ・ゲームといった室内娯楽を通じて遊べる場もあれば、釣り・キャンプ・サイクリングといった野外活動を通じて協働できる場もあります。こうした「場」の特徴にはスクールの特色が反映されやすいので注意しましょう。一部のスクールは最短1日からの体験入学を受け付けているので、そうしたスクールで実際に「場」を体験してスクールの特色を肌で感じるのもまた、自分に合った環境を探す近道になるでしょう。
学校としてのフリースクール |
また、ほとんどのフリースクールは通信高校と協力することで「スクールに通いながら、確実に通信高校を卒業できる」体制を整えています。ただこの仕組みを利用する場合、フリースクールの利用料に加えて通信高校の学費も必要になるため、前もって必要な費用をしっかり確認しておきましょう。
学習としてのフリースクール |
また、就職の進路はフリースクール以前に一般的な学校ですら頭を悩ませているところです。それでもできるかぎり労働のイメージをつかんでもらえるようにと、出店・農業体験などを用意しているスクールも少数ながら存在しています。就職を意識する場合、そういったスクールを利用したり、スクールへ通いながらアルバイトをして経験を積んでおくことが重要になってくるでしょう。
私塾 |
私塾とは主に個人が運営する小規模な学習塾の総称です。
一般的な進学予備校・資格予備校などとは違い、起業塾・政経塾のように特定分野のノウハウを伝える講師主体の塾もあれば、塾生一人ひとりのニーズに合わせて学習内容を変化させていく塾生主体の塾もあります。
授業スタイルは、1人の講師が複数の塾生を教える「集団授業型」と、1人の塾生に講師がマンツーマンで関わる「個別授業型」の2種類です。講師主体の塾では集団授業が、塾生主体の塾では個別授業が採用されやすくなっています。
ほとんどの私塾に言える共通した特徴としては、塾長の想いが塾の特色にストレートに反映されやすい点、塾長との距離が近い点。提供できる学習内容も、塾長の守備範囲が反映されやすいという点が挙げられます。
私塾では「塾生の目標をいかにして喚起するか」「塾生の目標に応じた学習をいかにして実現するか」といったところに主眼が置かれます。フリースクールは居場所を重視しますが、私塾にとって居場所は塾そのものではなく、講師という生身の人間がその大部分を担います。その講師という土台のうえに、塾生の目標に沿った学習が用意されているのです。
よって私塾を選択する場合は、その塾の象徴でもある塾長がどんな人なのか、またその塾長のもとに集まった講師たちはどんな人たちなのか、といった「人の特色」を強く意識しましょう。
また、その塾が提供できる学習内容や、集団・個別といった授業のスタイルも利用する人によって好みが分かれるところです。週あたりの授業回数や、授業の時間なども塾によってバラバラです。普段は家で休みながら・アルバイトしながら・友達と遊びながら…といったように、空き時間を自由に使えるのもまた私塾の特徴です。
自分の性格・自分の目標・生活リズム、そういった「自分のかたち」と「塾のかたち」が噛み合ったときにこそ、私塾のよさは最大限に発揮されるのです。
まとめ |
● フリースクールは居場所や土台作りを重視したサービス。
● フリースクールの特色は、提供している「場」に現れる!
● 出席や内申は、スクール・在籍学校の両方に確認すること!
● フリースクールでは受験対策の方針を前もって決めよう。
● 私塾の特色は、塾長・講師など「人」に現れる!
● 自分と塾の「かたち」がハマるかが、私塾利用のカギ!
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(一般社団法人new-look) 2000年3月14日 04:36
高等学校
全日高・定時高・通信高…今の時代、高校ひとつをとってみても色んなものが存在します。単なる校風の違いだけでなく、卒業するための条件、時間割などシステムの違いにも注意が必要になります。このため一斉に色々な学校へ資料請求して、パンフレットを読み比べるのはすごく大変な作業になってしまいがち…。
そこで最初にTOBガイドでは、高校をざっくりと3つのタイプに分けて解説しています。まずはそれぞれの大まかな特徴をつかんでいきましょう。
全日高校【3学年制】 |
もっとも一般的な高校です。前身である義務教育=小中学校の特徴を色濃く引き継いでいます。1年間の成績次第で次の学年に進級できるかどうかが決まり、1年生⇒2年生⇒3年生と3学年を経て卒業することから「学年制」と呼ばれています。
かつて学年制では、進級できなかった人は「留年生」としてゼロからまた同じ学年をやり直すか、「退学生」として学校から去るか、どちらかを選ぶしかありませんでした。しかし近年では進級に届かなかった分の成績を、通信高校や高卒認定で利用できる「単位」に置き換える「単位証明」が行われるようになりました。
この制度によって全日高校で進級できなかった人も、今まで過ごした時間を無駄にすることなく、通信高校への転編入・高卒認定試験の受験などに進路を変更できるようになりました。
進級できなくなりそうでも、あわてず柔軟に対応しましょう。
全日高校は「学年制」という仕組みや、校舎・クラスの雰囲気などから一見すると小中学校と似ているものの、成績によっては進級できない場合もあるのが注意点です。ですが今の時代、進級できなくても、留年や退学を防ぐ道はたくさん用意されているので、そうした知識も覚えておきましょう。
▼ 高卒認定試験の特集記事はこちらをクリック ▼
定時高校【4学年制 or 74単位制】 |
全日高校の時間割を遅め(夜間など)にずらした高校です。もともとは「昼間働く若者にも利用できる学校を」という理由で作られただけあって「高価な制服や教材は使用しない」「学生に自立を求める」といった傾向が見られます。このため学費がリーズナブルな反面、出席・素行・学力などについて一定の自己管理が要求される場面も出てきます。
良くも悪くも「自主性」が求められるところに注意しましょう。
定時制高校も1~4年生までの年間カリキュラムをこなすことで卒業できる「学年制」をベースにしています。ですが年間カリキュラムとは別に用意された「提出課題・単位認定試験」をクリアすることで単位が取得できる「単位制」を組み合わせて、本来なら4年通わないといけないところを、3年間で卒業できるようにした「定通併修(ていつうへいしゅう)コース」などを設けていることも多いです。
また、定時制と言えば夜間学校のイメージですが、近年では朝~夕の1部(全日)・昼~夕の2部・夕~夜の3部にコースを分けた「3部制」のかたちをとる学校も増えてきています。
通信高校【74単位制】 |
全日・定時と比べて「絶対に通学しないといけない日」が少ない高校です。大半の学校では年に3~30日程度の通学が相場となっていますが、代わりに相当量の「提出課題・単位認定試験」をクリアする必要があります。このように通信高は、全日・定時のような「学年制」を採用せず、どんなペースであれ「3年以上の在籍 ・74単位の取得」を満たした時点で卒業できる「単位制」のみを採用しています。
体調・忙しさにムラがある生活にもある程度は対応できます。
また、通信高校と言えば自学自習のイメージですが、近年では「全日や定時には通いたくないけど、通学の実感は味わいたい」「ある程度は外に出る習慣を作りたい」といった声を受け、学習を行うための施設(キャンパス)に週何回か通学して集団授業を受けることのできる「通学型コース」を設けている学校も増えてきています。
さらに学校によっては、生徒の家の近くにある学習塾などを利用することで勉強面のサポートを受ける「サポート校」を採用しているところもあります。これは学校が直営で設置する「分校」とは違い、学校とは別の会社が運営する予備校のようなものです。サポート校を利用する場合、学校の学費とは別に、サポート校の利用料もかかるので注意しておきましょう。
まとめ |
● 全日は小中学校に近いけど、進級できないこともある。
● 進級のピンチは、通信への転編入や高卒認定で対応可!
● 定時は働く人にとって都合いい仕組みになっている。
● 定時は学費が安いが過保護ではない。自己管理が必要!
● 通信は学年に縛られないのでマイペースに取り組める。
● 通信は通学が少ない代わりに課題が多めで試験もある。
● サポート校の利用はコストが高いが、安定性も高い。
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(一般社団法人new-look) 2000年2月23日 16:01
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